尿路感染症(UTI)と関連した尿路結石の問題を調査した。 当院の結石外来を受診した患者796名のうち52名(7%)が結石形成の病因として重要であると考えられるUTIを有していた。 最も一般的な微生物はプロテウス菌であった. 代謝異常は1/3に、解剖学的・機能的異常は2/3にみられた。 感染者は特発性結石症患者に比べ,尿中カルシウム排泄量が少なく,血清クレアチニンが高く,結石手術の頻度も高かった. 尿路結石の原因としてのスタッグホーン結石の有病率は低かった(透析患者481例中1.5%). そのような患者8名を調査したところ、そのうち6名は代謝異常や解剖学的疾患を有していた。 尿毒症の発症に要した期間は7.4 +/- 2.0 (SD)年であった。 腎結石に対して外科的治療を受けた535人の患者のうち,約3分の1は手術時に尿培養が陽性であり,最も多い細菌株はE. coliであった(35%). Proteusは28%に認められ,これらの患者はUTIエピソードの頻度が最も高く,そのほとんどが入院前に発症していた. 大腸菌感染者は非感染者よりもリン酸塩含有結石の頻度が高く,シュウ酸カルシウム含有結石の頻度が最も高かった. 腎結石および尿路結石の手術を受けた患者 15 例に,新しい広域セファロスポリンであるセフタジジムを周術期予防薬として使用した. 10例は腎盂で細菌が増殖していたが,すべての菌株が駆除された. また,骨盤内で細菌が増殖した患者から採取した6個の培養結石のうち2個に細菌の増殖が確認された。 本剤の薬物動態を検討したところ,血清中および腎組織中のceftazidime濃度の減少は並行しているようであった。 尿中分離菌のハイドロキシアパタイト(HAP)粒子への細菌結合を検討した. 結石患者から得られたE. coli 2株(A5089,E7704)およびProteus mirabilis 1株(A5076)を,細胞表面特性を明確にしたE. coli 2株(2683,M7810)と比較し,HAP粒子との結合性を検討した. 血球凝集能試験および塩凝集能試験により,細胞表面の疎水性を測定した. 37℃で培養してフィンブリア形成を促進した場合、赤血球を赤血球凝集し、細胞表面は疎水性を示し、18℃で培養してフィンブリア形成を抑制した場合、ほとんど凝集せず、細胞表面の疎水性が低い場合に比べてHAPへの結合能が高いことが示された。 細菌の細胞表面の性質は、尿路病原体のHAP粒子への結合に影響を与えているようである。

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