Establishing temperature range
Macrostomum lignano培養によく用いられる条件、それは温度20℃、湿度60%、明暗周期14h/10hであった。 これらの条件は、主にワムシの主な餌である珪藻のNitzschia curvilineataの生育に最適であることから選ばれたものである。 実験に使用できる温度条件を評価するために、まずワムシが生存できる温度範囲を設定した。 冷凍保存は致命的だが、4℃で2週間以上保存すれば生存できることがわかった。 しかし、この条件下では珪藻が成長しないため、4℃は今後の実験から除外することにした。 その他、20 °C以下の温度も、成長と発達を促進する条件を見つけることが第一の目的であったため、実験対象から除外した。 一方、42 °Cで2時間飼育すると虫は溶解し、37 °Cで1週間培養すると死んでしまうという温度差がありました。 そこで、我々は20℃、25℃、30℃、35℃を実験条件とし、M. lignanoの長期間の温度影響を調べることにした(図1)
熱ショック反応
どの温度が虫にストレス反応を誘導するかを調べるために、熱ショック20プロモータ (Mlig-hsp20) の活性をモニターした。 まず、20℃、25℃、30℃、33℃、34℃、35℃で定量RT-PCRを行い、Mlig-hsp20の発現量を測定した。 20℃と25℃の間でHsp20の発現量に大きな差は見られなかった(Fig. 2a)。 しかし、30 ℃では20 ℃に比べてわずか(2倍)ながら有意(P = 0.027, t-test)に発現量が増加した(Fig. 2a)。 33℃では10倍以上の発現量増加が観察され、試験した最高温度である35℃では100倍以上に増加した(Fig.2a)。 2回目の試験では、Mlig-hsp20プロモーターの制御下でmScarlet-Iタンパク質を発現するトランスジェニック株を作成し(図2b)、20℃から37℃までの異なる温度で2時間インキュベートした24時間後の蛍光レベルを測定した(図2c、d)。 図2
M. lignanoにおける熱ショック応答異なる温度でのMlig-hsp20遺伝子発現のqRT-PCR解析。 グラフは20℃での発現量に正規化した。 ns, P > 0.05; *, P ≦ 0.05; **, P ≦ 0.01; ***, P ≦ 0.001. 各条件で3つの生物学的複製を使用した。 エラーバーは95%信頼区間を示す b トランスジェニック熱ショックセンサー構築物KU#49の構造。 熱ショック応答性遺伝子 Mlig-hsp20 遺伝子のプロモーターが mScarlet-I の発現を駆動し、ユビキタス発現遺伝子 Mlig-EFA のプロモーターが mNeonGreen の発現を駆動し、遺伝子導入のポジティブ選択マーカーとして使用。 c hsp20::mScarlet トランスジーン発現の温度による蛍光強度 d hsp20::mScarlet トランスジーン発現計測に用いた NL28 トランスジェニック動物の画像例。 各温度におけるDICおよびdsRedチャンネルを示す。 スケールバーは100μm
胚発生速度
Morrisらによると、20℃で飼育した場合、マクロストマムの卵は完全に発生するまで約120時間(5日間)かかるとされる。 そこで、温度が胚の発生や孵化の速度にどのように影響するかを調べるため、産みたての胚を採取し、異なる温度で孵化するまでの発生を観察した。 遺伝的背景による潜在的な違いを調べるために、現在M. lignanoの研究の大部分に用いられている2つの系統、DV1系統とNL10系統を使用した。 これらの系統は、同じ地域の野生型個体群から独立に派生したものであり、全染色体重複によって異なるが、それ以外は実験室条件下で非常によく似た挙動を示す … 我々はまず、低温の影響を調べた。 4℃では卵の発育は停止し、少なくとも1ヶ月は保存可能であり、高温に戻せば発育を再開する。 次に、20 °Cから35 °Cの温度で、卵がどれだけ早く発育するかを調べた。 図3に示すように、標準状態(20 ℃)で保管した場合、卵は6日後に孵化を開始した。 温度を上げると、それに比例して胚の発達も早くなり、35℃では20℃に比べて2倍早く、3日で孵化した。 なお、20℃では8日間培養しても約10%の卵が孵化しないのに対し、高い温度では5%以下となり、試験した最高温度の35℃でも胚の生存に有害な影響を及ぼさないことが示唆された。