私は小児科医ですが、子どもが脱水状態にあるかどうかを判断する手段として、尿浸透圧を使ったことはほとんどない、と断言します。 同僚に聞いても、800mOsm/kgが心配する値だとは誰も思いませんでした。 また、Webで検索したところ、1,200mOsm/kgまでは生理的な正常範囲であり、大人よりも子どもの方がばらつきが大きいという意見がほとんどでした。 800 mOsm/kg を子どもの脱水状態とみなすと宣言したものはありませんでした。
言い換えれば、尿のスポット測定値が 800 mOsm/kg である子どもを心配すべきだと考える理由はほとんどないのです。 実際、2002年に、脱水を探すというよりも探索的な性格の研究がJournal of Pediatricsに掲載されましたが、それによると、ドイツの男子の平均尿浸透圧は844 mOsm/kgでした。 論文の最後から3番目の段落では、子どもの平均尿浸透圧がケニアの392 mOsm/kgからスウェーデンの964 mOsm/kgまでであることを発見した世界中の膨大な数の研究が紹介されています。
それでも、より最近の研究が、800 mOsm/kg基準を使い続けて、大量の子どもが脱水状態にあると宣言していることを止めることはありません。 Annals of Nutrition and Metabolism 誌に掲載された 2012 年の研究では、フランスの子どものほぼ 3 分の 2 が十分な水分を摂取していないと宣言するためにこの基準が使用されました。 また、『Public Health Nutrition』誌の研究では、ロサンゼルスとニューヨークの子どもたちの3分の2が十分な水分を摂取していないと発表しています。 最初の研究はネスレ ウォーターズの資金提供によるもので、2番目の研究はネスレの子会社であるネステックの資金提供によるものでした。 しかし、ある時点で、普通の健康な状態を病気と呼んでしまう危険性があるのです。 毎年、健康な子どもの3分の2が、「異常」というレッテルを貼られた検査値であることがわかったとき、それは、健康ではなく、定義がずれているのでしょう。 ミシェル・オバマの「ドリンク・アップ」キャンペーンの一部とさえなっています。 2013年、当時ホワイトハウスの栄養政策アドバイザーであったサム・キャスは、「アメリカ人の40パーセントが、毎日飲む水の量は推奨量の半分以下である」と宣言しました」
人が必要とする1日の水の量についての正式な推奨はありません。 その量は、人々が何を食べ、どこに住み、どれくらいの体格で、何をしているかによって明らかに異なる。 しかし、この国の人々はかつてないほど長生きし、人類の歴史上ほぼどの時代よりも間違いなく飲料を自由に入手できるようになったので、私たちが皆脱水状態にあるというのは事実ではありません」
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