中心気道の炎症は慢性気管支炎の被験者の顕著な特徴である。 慢性気管支炎の病態は、気道壁への炎症性単核細胞の浸潤と気道内腔への好中球の流入を含む。 この炎症を引き起こす分子事象と粘液分泌過多を引き起こす病原体の役割が解明されつつある。 炎症細胞の気道への動員には、組織液や侵入微生物に由来する化学走性物質だけでなく、病的な気管支上皮から発生する化学物質も関与していると思われる。 例えば、気管支上皮細胞はインターロイキン(IL-8)を合成し、好中球やリンパ球の強力な化学誘引・活性化剤となる。 また、気管支の実質細胞や細胞外マトリックスに浸潤した白血球が接着することも、気道炎症の発生に重要である。 その結果生じる炎症は、おそらく本疾患の臨床的特徴に直接関与しているものと思われる。 慢性気管支炎の患者に起こる咳や粘液の排出の開始と維持に好中球やリンパ球の成分が関与しているとする証拠が増えてきている。

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