plicaeは胎児期に存在した滑膜隔壁が成人期に残存しているものである。 鞍上膜プリカは鞍上袋と膝関節を隔てている。 プライカ症候群は臨床的意義があり,これまで見過ごされてきたが,症候性プライカの病態生理は説明困難な場合がある。 そこで筆者らは,膝周囲の漠然とした痛みと関節鏡検査で鞍上plicaの全中隔を認めた23名34症例について,1991年9月から1993年12月までの間に,鞍上plicaの臨床的意義について検討した. 経過観察期間は6ヶ月から2年9ヶ月であった。 最も多くみられた症状は慢性的な軽度の膝痛で、長時間のしゃがみ込みや立ち上がりで悪化し、他の患者からは腫脹、不安定性、ギブアップ、折れるような感じなどの再発が報告された。 客観的所見としては、内側上部の帯状の触知、可聴域のsnap、局所の圧痛などがあるが、検査室では目立った異常所見はなかった。 X線所見は少なく、膝蓋骨の関節面の硬化が2例(6%)、不整列が1例(3%)、軽度の変性変化が4例(12%)であった。 骨スキャンでは11例中5例に膝蓋大腿関節周囲のuptakeが認められ,通常の関節造影や肺動脈造影では13例中7例に比較的小さな膝蓋上滑液包が認められた. 関節鏡検査では、34例中30例(88%)に完全な中隔を持つ鞍上滑液包が確認され、関連病変として半月板断裂、遊離体、断裂のない円板状半月板が提示された。 30例において関節鏡視下手術で完全なplicaeを切除し、17ヶ月後の経過観察で22例(73%)が良好、5例(17%)が良好、3例(10%)が不良であり、失敗例はなかった。 完全鞍上病変は、膝関節疾患の診断が不明確な患者において臨床的に重要であり、完全鞍上病変の病態生理に関する更なる研究が必要であると考える。

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