我々の長期目標は、セクレチンおよびコレシストキニン(CCK)の分泌および作用機構を調べ、二つの腸ホルモンの生理および病理生理学についてよりよく理解することである。 本提案は、2つの大きな仮説を検証するものである。 1)セクレチンとコレシストキニンの放出は上部小腸粘膜から分泌される放出因子を介し、膵外分泌への作用はインスリン、膵ポリペプチド、ソマトスタチン、グルカゴンなどの膵島ホルモンにより制御されている。 膵液や小腸上部のプロテアーゼは消化管間期や腸管期においてCCKやセクレチンの放出と膵外分泌の両方を抑制する。 ラット、イヌ、ヒトで観察された外分泌膵臓のフィードバック制御は、ホルモンを介したものであることが判明している。 これらの観察から、2つのホルモンに対するトリプシン感受性の放出因子の存在が示唆された。 この放出因子はラット上部腸管分泌物中にトリプシン感受性ペプチドとして見いだされた。 これらの因子の存在は、ラットとイヌでさらに確認される予定である。 まず、ラットとイヌの腸酸潅流液または抽出液からセクレチン放出因子(S-RF)を単離し、均質になるように精製する。 その一次構造を決定する。 続いて、CCK放出因子(CCK-RF)を単離精製し、その構造を決定する。 両因子をカスタム合成し、その特異的なラジオイムノアッセイを開発する予定である。 そして、S-RFやCCK-RFの放出機構とin vivoおよびin vitroでの作用について検討する。 意識下ラットにおいて、循環インスリンをウサギの抗インスリン血清で免疫中和すると、流動食、外因性セクレチンおよびCCK-8によって刺激される膵外分泌が完全に抑制される。 また、セクレチンやCCKの放出も抑制する。 セクレチンやCCKの作用に対するインスリンの効果は、ラット、イヌ、ヒト、動物、糖尿病患者において検討される予定である。 さらに、正常ラット、糖尿病ラット、イヌの単離灌流膵臓モデルに展開し、インスリンの作用機序と3種の膵臓抑制ホルモンが外分泌膵臓に及ぼす役割を明らかにする。 本研究は、セクレチン、CCKの生理・病態と膵外分泌機能に関する基礎的知見を充実させるとともに、消化・吸収機能障害や糖尿病患者のより良い管理に役立つものと期待される

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