インドのハイカーストヒンズーに属する未亡人は、再婚に課される種々の社会的制限から再婚しないと一般には信じられている。 しかし、このような情報は、より詳細な情報が必要である。 筆者は、ウッタル・プラデーシュ州のマトゥラー地区とサハランプール地区、パンジャーブ州のロータック地区の農村世帯の1パーセントを対象に調査を行ったところ、常婚者のほぼSOパーセントが再婚していることが明らかになった。 調査対象は6,211世帯で、うち887世帯がムスリム、残りがヒンドゥーである。常婚女性のうち、サハランプールでは84%、ロータックでは25%、マトゥラーでは19%が再婚であることが判明した。 地区による未亡人の再婚率の違いが現実のものなのか,あるいは,年齢,職業,カースト,生存している子供の数による常婚女性の分布の違いによるものなのかを明らかにするために,標準的な未亡人の再婚率が求められた。 サハランプール地区の人口が標準人口とされた。 年齢、生児数、カーストを標準化した結果、その差はかなり縮まり、寡婦再婚率はサハランプールでは34.2であるのに対し、ロータックでは334、マトゥラーでは31.1であることが判明した。 マトゥラー地区の数値が3%低いのは、バラモン教の影響かもしれない。未亡人の再婚は、16歳以下の90%近く、15〜19歳の80%が再婚しており、若い未亡人の間で非常に多いことが分かった。 また、未亡人になった時点で子どもがいなかった人の約8割が再婚している。 しかし、再婚した未亡人の割合は、年齢が高くなるにつれて、また生きている子供の数が増えるにつれて減少している。 35歳から37歳のイスラム教徒の再婚率が最も高く、これはイスラム教徒が再婚に制限を加えていないためである。 ヒンズー教徒では,チャマール,バンギ,職人などの低階級カーストが最も高く,約30であったが,これは再婚に対する社会的制約がないためである。 ヒンズー教の高カーストでは、戦士カーストのひとつであるジャット族が最も高い再婚率を示している。 その理由は、彼らが社会的に再婚を認めてきたからである。 また、グジャール、アヒル、ラージプートなどの他の戦士カーストでも、規模は小さいが寡婦の再婚が盛んであることが確認された。 バラモン、バニア、カトリス、アローラといった他の高カーストでは、未亡人の再婚は7%程度と非常に少数である。 このように、北インドの農村では、寡婦の再婚をめぐる社会的な位置づけに大きな変化は見られないといえる。

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