人口ベースの前向きコホートのデータを用いて、個人間の症状発生のばらつきを特徴付けるため、また症状の個人間変動のうち肺機能対他のすべての観察可能な特性によって説明できる割合を決定するために、持続性気流制限患者の自己報告呼吸器症状の負担を評価しました。

この研究では、持続性気流制限を持つ40歳以上の449人(男性53%、平均年齢67歳)が、合計968回の受診を行い、89%の患者が3年間のフォローアップ中に少なくとも一つの症状を報告した。 参加者は、18ヶ月間隔の診察で、慢性の咳、痰、喘鳴、または呼吸困難を経験したかどうかを報告した。

症状の発生に関する個人特異的確率には、かなりの異質性があった。 この異質性は、喘鳴と呼吸困難で最も高かった(確率の四分位範囲、それぞれ0.13-0.78および0.19-0.81)。 1秒間の呼気量(FEV1)は,呼吸困難の個人差の28%を説明し,痰は8%,咳は3%,喘鳴は2%であった. 肺機能は,あらゆる症状の発生における個人間変動の大部分のみを説明し,咳,痰,喘鳴における個人間変動の割合ははるかに小さかった. 一般的に測定される患者・疾患特性は,特に咳嗽の発生における異質性をほとんど説明しなかった。 症状のばらつきは、COPDに関連する症状の異なる原因を反映している可能性がある、と研究者は述べている。

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90%以上の患者が軽度から中程度のCOPDであり、そのうち29%しかCOPDと診断されなかったのに、呼吸器症状は非常によくみられた。 症状としては呼吸困難が最も多く、次いで咳、喘鳴であった。 症状発現の個人特異的確率は,個人間および症状ごとに大きく変動していた. 確率のIQRは喘鳴と呼吸困難で最も大きく、これらの症状の有無は咳や痰よりも個人間で大きく変動することが示された。

著者らは、この結果は個人内の症状の変動に関する観察を、症状の発生における個人間の変動に拡張するものであると述べた。

症状の測定を伴うCOPD重症度評価ツール(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease評価ツールなど)は、測定する症状によって、経時的に変動が大きくなったり小さくなったりする可能性がある。

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